弊社で主要な味噌のひとつ、白味噌。
この白味噌といえば関西や香川・広島などが産地ですが、有名なところではやはり発祥の地 京都だと思います。
公家文化が花開いた京都。
ゆたかな文化は日本料理にも洗練された形に残り、伝えられてきました。
冷蔵庫などない時代、食品の保存は今よりずっと大切な課題だったと思われますが、 白味噌は米と麹を贅沢に使ったゆえに保存期間がほかの味噌より短い、当時としては贅沢なお味噌。
甘味などあまりない時代には、白味噌の甘みは貴重だったのではないでしょうか。
今宮神社参道の「あぶり餅」やお正月菓子「はなびら餅」などの京都のお菓子にも白味噌が使われ、そのなごりを伝えています。
ひるがえって香川といえば、「てっぱい」や「ちしゃもみ」などの白味噌を使った郷土料理があります。
なかでも有名なのが、正月にいただく「あん餅雑煮」。
主役はあん餅ですが、白味噌の塩分があんの甘さをしっかりと感じて、ハレの日らしさを感じるのは香川県民だからでしょうか。
香川三白といわれ砂糖の産地に由来した雑煮。京都から伝わった白味噌に、香川の恵みが加えられて、特別に大きな一椀と感じられます。最近では、あん餅雑煮を出す飲食店などもあり、県外の方にも召し上がって頂きやすくなっています。
最後にこちらも香川の白味噌料理。
香川県に多数あるうどん屋には、注文したうどんが出来上がるあいだに食べる「おでん」がかかせません。このおでんには、白味噌に辛子が入った辛子味噌が定番。
大根やすじ肉はもちろん、一般的にいうさつま揚げのような「てんぷら」や冬限定の「いいだこ」のおでんなど、香川独特のおでん種も楽しいところ。甘さを好む香川の食文化に根付いたお味噌です。
うどん屋めぐりの際はぜひ、このちいさな白味噌文化も味わいください。