あん餅雑煮点描

早いもので年が明けて一ヶ月がすぎました。
もうお正月の気分からは遠くなりましたが、今年も三が日にはおせちやお雑煮を召し上がった方も多いのではないでしょうか。

香川のお雑煮といえば、あん餅の入った雑煮が有名。
白味噌にあん入りの餅は全国的にみてもめずらしいかと思います。
先日色々な方とお話しする機会があり、時節がらお雑煮についてどのように召し上がるか聞いてみたところ、さまざまな食べ方を教えていただきしました。

あん餅で雑煮を食べられる方は、香川の真ん中あたり中讃地域で多く、三豊市などの西讃地域では白丸餅が多いとのこと。またあん餅を食べる地域でも、個人的に甘いものは苦手と食べない方もおられます。反対に、県外から来られた方がはじめは躊躇したものの、今ではあん餅でなきゃとおっしゃる方も。

具材となる大根や人参は一般的なようですが、他にいれる食材はさまざま。
豆腐や玉ねぎ、トッピングに青のり(お好み焼きにつかわれるあおさを細かく切らずに使います)や鰹節、葱などバリエーションに富んでいていました。

味噌は、比較的地域にかかわらず白味噌を使われるようで「1月中はずっと白味噌で味噌汁なのよ」とメーカーとしてもうれしいお話もいただきました。その後も、家では白餅が残るからぜんざいで食べますや、客人が多い年は2日にあん餅がなくなって慌てたこともなど、雑煮のあれこれ話に花が咲きました。

あたり前に感じていた作り方も地域で違うように、各家庭ですこしづつ変わる味。
おせち料理のように華やかさはないけれど、あん餅雑煮に親しみを感じている様子に、これからも白味噌を通して郷土料理を伝えていくお手伝いが出来れば有り難いことと思う機会でした。