6月に入りましたね。四国では梅雨入りしたというニュースが入りました。
現代では梅雨の時期である6月ですが、和名では水の無い月と書きます。その矛盾に疑問を感じたことはありませんでしょうか。しかし、水無月の「無」は無いという意味ではなく「の」にあたる昔の言葉で、実際は「水の月」という意味になるそうです。また、陰暦の6月は田んぼに水を引く時期でもあることから水無月といわれるようになった説も有力です。
この時期、香川県では、田んぼにまだ水を張っていない地域と田植えの終わった地域があります。これは、水の争いが絶えなかった香川の先住の知恵と努力の結集で、ため池をつくり水を引くという地域ならではの水の管理があるからです。香川県は全国有数のため池の数を保有しています。ため池と川、用水路、水田がつながり、香川県の讃岐平野には水のネットワークが広がっています。そのおかげで香川県のお米はおいしく育ちます。
また、味噌づくりには米が欠かせません。蒸した米に麹菌をつけて米麹をつくります。米麹に茹でた大豆を加え、すりつぶし、発酵熟成することで味噌ができます。(白みそは発酵させないです。)
日本人の主食であり、味噌の原料に欠かせない米。これから成長をしていく風景をみることができますので、季節を感じながら観察してみてはいかがでしょうか。
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白味噌あんの柏餅。
せっかくのゴールデンウィークも今年は外出できませんが、どうお過ごしでしょうか。
そして5月5日は端午の節句(男の子の健やかな成長を祝う日)ですね。
柏餅を食べるご家庭も多いかと思います。
餅を包んでいる柏(かしわ)の葉は、新芽が育つまで古い葉っぱが落ちないことから、子孫繁栄の縁起をかついだものとして、江戸時代から端午の節句に柏餅を食べる習わしが伝えられていると言われています。
柏餅はあん入りが一般的かと思いますが、味噌あんの柏餅があるのをご存知ですか?
実は、この味噌あんの柏餅は地域によってはメジャーなのですが、中部地方(京都を除く)から西の方では販売されていない地域が多いのです。だから、ここ四国では知らない方も多いかと思います。味噌あんは、白みそと白あんを練り上げて作るもので、甘さと塩気のバランスが楽しく、やさしい味わいです。
さて、長い休暇中のお子様とおうち時間を楽しむために、親子クッキングはいかがですか。当社のホームページには、簡単に楽しめる味噌ディップをはじめ、お味噌を使ったレシピも掲載していますので、ぜひ活用してください。
バランスのいい食事を心がけて、免疫力を高め、体調管理に気をつけてくださいね。
新生活に讃岐の白みそ。
4月に入りました。
さくらも開花し、栗林公園ではもう満開に。季節的には、新生活が始まる予定だった人も、始まっている方もいると思います。
新しい年度が始まるめでたい節目の時期ではありますが、新型コロナの猛威が生活に大きく影響が出ていると思います。
目の前のできることからひとつひとつしていくしていく大切な時期ですね。命を大切に、感染拡大につながらないような行動をとっていきたいと思います。
また、新生活を始めた方などから香川県外にでてみるとスーパーの売り場に味噌が少ないという声を聞きます。香川県は他県に比べると、味噌が数多く店頭に並ぶ味噌県で、特に白みそ文化です。
どんな時でも食は生きるためにかかせないことで、郷土の味は心の癒しになります。商品については、電話またはお問い合わせフォームからご連絡いただけます。
ぜひ、今一度、白みそを使って郷土の味を県内の方にも県外に行かれた方にも思い出していただけたらと思います。もし、味噌レシピが知りたいという方には、Webサイトだけでなくfacebookでも随時発信していますのでご覧下さい。
「ひなまつり」に甘酒。
「ひなまつり」の由来は、諸説ありますが、その中で、中国から伝わった「五節句」のひとつ「上巳(じょうし)の節句」だという説が有力です。もともとは邪気や厄を払うための行事でした。
「女の子のすこやかな成長を祝う節句」つまり女の子の節句と定着したのは、江戸時代だといわれています。
ひなまつりの食べ物のひとつ、菱餅(ひしもち)は、厄除け、子孫繁栄、長寿を願って飾られます。最初は、緑(よもぎ)と白(菱の実)を入れた2色でした。それが明治時代にくちなしの実を使った赤(桃色)が加わり3色になったそうです。赤は邪気を払う色ともいわれてきました。緑は芽吹きや新緑、赤(桃色)は桃の花、白は雪をイメージした色ともいわれます。
また、白酒や甘酒を飲むことについては、もともとは桃の花を漬けたお酒、「桃花酒」が飲まれていたことから今に残るようです。中国では桃は邪気を払うという意味があり、また「百歳(ももとせ)」ということばに通じることから、縁起が良いとされてきたからです。日本でも桃花酒が飲まれていました。そして江戸時代には、桃の花と色の対比も美しいことから、白酒が飲まれるようになったと言われています。歌にも「少し白酒召されたか赤いおかおの右大臣」とありますね。
女の子の節句とあって、白酒はアルコールなので、甘酒を飲むご家庭も多いかと思います。ちなみに、この甘酒には、「酒粕」からつくられるものと、「麹」からつくられるものの2種類があります。味噌にとって米麹は原料でありますので、甘酒との関係も深いのです。素材からノンアルコールにこだわるなら、やはり「米麹」の甘酒がおすすめです。ビタミンに加え、食物繊維など天然の栄養成分にすぐれ、今や飲む点滴ともいわれる甘酒。しょうがを少々加えて飲むのも体が温まるのでおすすめです。
まだまだ3月は春冷えが続きますし、新型コロナウイルスの心配もありますので、みなさんお体を大事にしてくださいね。
楽しさ味わう味噌づくり
冬らしい寒さが到来しました。
朝晩の冷え込みに、昼間の日差しにありがたさを感じます。
味噌づくりに最も適した季節になった今、正月に向けて白味噌の製造をフル稼働中。その合間をぬけて今年度も、リビングカルチャーセンターさんでの『寒仕込み自家製みそ講座』を開催しています。
味噌のつくり方を実践するこの講座には、ありがたい事に沢山の方が参加してくださっています。ふだんはお会いすることのない消費者の立場の方や、味噌に興味を持ってくださる方に、直接お話させていただくのはまたとない機会。食に対する考えもお聞きでき、弊社の味噌造りを改めて気を引き締める思いになりました。
講座のなかでも一番大変でまた楽しい作業は、煮上がった大豆を手で潰していく作業。冷めないうちにすばやくすり潰し、混ぜ合わせた塩と麹に混ぜていきます。
この作業にとりかかりはじめると、皆さん和気あいあいとした雰囲気になり、大豆の潰れ具合や硬さなどを確かめてあっています。男性のググっと潰していく力強さや、細やかで丁寧な仕上げの女性など、それぞれの方が丹精をこめて作られていき、とても楽しそうです。
家庭で味噌を手作りしていた時代、味噌づくりはお祝いごとのイベントでもありました。
家族や近所総出で作り上げ、仕込みが終わると宴を催していた地域もあったようです。
また東北地方の味噌づくりでは、近所の方々と集まって作る際、大豆をつぶす臼を搗きながら盆踊りを唄ったそうで、歌わないと味噌に色がうまく付かないと言い伝えられています。
味噌づくりを覚えてお家で再度味噌をつくっていただき、新たにご家庭の行事となれば有り難い事。今回参加なさった方のなかには、ご夫婦で来ていただいた方もおられます。昨年つくられた奥様のお味噌が美味しかったそうで、今年はご主人も味噌づくりに挑戦してくださいました。
この講座は、来年の1月から3月のあいだ月2回開催を予定しています。
同じ材料や分量でも、その人それぞれの味になる「手前味噌」
食べる楽しみと共に、味噌をつくる楽しみを、ぜひ味わいに来てみてください。