カテゴリー別アーカイブ: 味噌のミソ

味噌作りイベント

みなさんは味噌をご自宅で作られたことはありますか?
先日、お味噌作りをお伝えする機会があり、楽しい時間を過ごしてきました。

11月20日、高松市花園町のIKUNASさんにて、IKUNASスクール「菌活!~発酵食品のチカラ~」が開かれました。講師は薬膳アドバイザー植條みかさん。3回目となる今回は、お料理を提供される前に味噌を作ることになり、弊社社長の町川が、製造元ならではの視点から作り方をお伝えいたしました。
これまでイベントなどを通じ、様々な方とお話する機会は多々ありましたが、味噌を作りながら直にお話させていただくのは初めてのこと。貴重な機会をいただき、ちょっと緊張して当日を迎えました。

教室にはたくさんの方が参加され、植條さんにご紹介頂きまして皆さんにご挨拶。はじめに白味噌と粒味噌のどちらかを選んでいただきました。白味噌と小粒味噌の違いは大豆・塩の量は同じですが、麹は白味噌の方が2倍となり、甘味も強く感じられます。もう年末だからでしょうか、皆さん白味噌を選んでくださいました。

さっそく参加者の皆さんに弊社の麹と塩、茹でたばかりの大豆を配り、麹と塩を合わせていきます。その後、大豆の温度と硬さを確かめてもらい、熱いうちに手ですり潰して頂きます。冷めないうちの作業なので、皆さん和気あいあいとしながらも手に力が入ります。

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作業の合間に、白味噌の歴史や会社での作り方をご説明し、植條さんからは味噌から得られる栄養や効果をお伝えいただきました。

次に潰した大豆と塩麹を、手で混ぜ合わせていきます。手袋を使用する方もおられましたが、「この作業を素手でされると手がすべすべになるんです」とお伝えすると、その後ボール大に丸めて空気をぬく作業まで素手で作られ、ご自身で実感される方もいらっしゃいました。

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最後に空気をぬいた味噌を袋に詰めていく頃、植條さんが作るランチができ上がりました。打ち合わせの時に、メニューを少し聞いていましたが、実際に拝見すると、どれも美味しそうな料理ばかり。社長も、参加された皆さんと一緒にいただきました。全てに工夫を凝らしたもので、とても美味しかったですが、納豆の入ったお味噌汁は、とてもやさしいお味でした。

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今回、参加された方とお話させていただき、味噌だけでなく「食」に対し意識が高い方が多いと感じました。また、味噌=身体にいいものと感じていただけたのではないかと思います。講師の植條さんには、改めて麹菌など色々な発酵菌を勉強なさっておられる感じることがあり、とても有意義な時間を過ごさせていただきました。

これからも機会があれば、お味噌作りをお伝えできればと思っています。ご参加いただいた皆さん、植條さん、本当にありがとうございました。

元から広がる三素(みそ)

去る8月1日(土)10時50分から、KSB(瀬戸内海)放送「発見!たかまつ~郷土の味のルーツを求めて」が放送されました。ご覧いただいた方もおられるのではないでしょうか。

香川県の食文化として親しまれている、あん餅雑煮、てっぱいや魚の味噌漬け。

「香川の郷土料理といえば?」という冒頭のインタビューで、讃岐うどんのほかに上記の料理を挙げられていて、各家庭には白味噌を使った郷土料理がまだまだ残っているのだな、と嬉しく思いました。番組内で紹介されたレタスとタコを白味噌などで絡めた料理も、現代風にアレンジされていて美味しそうでしたね。

弊社社長も番組の中でお話しましたが、香川の白味噌は京都から伝えられ、良質な材料が採れる気候風土に合っていたため、根ざしていったものと考えられます。長い歴史を持つ香川の白味噌文化の中、大正13年に白味噌を作り始めたのが、弊社の始まりとなります。

商標ロゴであるヤマゲンは、初代社長である町川元一(まちかわもといち)の『元』の字が起源。ロゴとともに、初代からは様々な事を受け継いできました。

そのひとつがの「人の手を使い、昔ながら製法で味噌を作る」という企業理念です。今も格言として、『三つの素(そ)』というものが残っています。

三つの素とは、①味②香り③色合い。

代表商品の白味噌でいえば「大豆と麹の甘みと香り、京都の白みそより少し黄味がつよい色、その3つがそろって味噌足り得る」。この言葉を忘れずにしっかりと守っていくようにと、代々伝えられてきました。名は体を表す、と申しますように初代社長が『もと元』となり、2代目3代目へと歴史を作って来られたと思っています。

そして今、4代目である私たち、町川晶彦・達郎兄弟が、伝統を引き継ぎながら未来につなげれる様に、さらに香川県が全国に誇れる郷土料理・白味噌として身近で素朴な原料から香り豊かな味噌が生まれるように、小さな味噌屋から日本全国や海外の方に、香川県の食文化をアピールしていければと思っています。

我が社の今や、これから伝えたいこと。

放送をきっかけにブログをリニューアルし『味噌のミソ』と銘打って、お味噌にまつわる歴史や雑学、レシピなどを綴ってまいりたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

香川県フェアin台湾

和食の世界遺産登録など、最近の海外では日本食が身近になってきています。その動きのなかから、商品の海外販売と云うのは、味噌業界全体として考えている大きなテーマですが、弊社も以前から中国・上海や香港、台湾に商品を輸出しています。

先の9月3日(木)~7日(月)台湾のシティースーパーと言うスーパーで、日本・香川県フェアーが開催され、私も実際に現地まで赴いて、試食販売を行って参りました。

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以 前より同スーパーでは、弊社の金山寺味噌を定番商品として、取り扱っていただいています。今回さらに新商品として「さくら味噌」と「田舎粒味噌」の2点も 採用いただいたのを弾みとして、現地での試食販売となりました。どうやって現地の人にお味噌汁を飲んでもらうか、準備とシミュレーションを繰り返し、張り 切って台湾まで向かったのですが・・・。

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何と、本来ならばフェアー開催に合わせて、私が行くよりも前に現地到着しているはずの商品達が通関でトラブルが有ったらしく、まだ一つもお店に着いていない模様。

聞けば私が帰国した後にようやく届くみたいです。当然、今回のフェアーで初お披露目する予定だった「さくら味噌」「田舎粒味噌」はゼロ。ただの一個も手元には有りません。

海外販路にトラブルは付き物、とは言え、この様な事は流石に初めてなので慌てましたが、無い無いと大騒ぎしても無い物は仕方ありません。

せっかく来た以上、とにかく現状、有る物でどうにかしよう、と心機一転。

フェアーの為に送り込んだ商品達は無くても、フェアー以前に送っていた金山寺味噌の定番用在庫分を全て出していただき、それを使って試食販売する事にしました。

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午前10時にお店に到着後、スグに持っていった法被に着替えて、フェアー売り場に立ちます。

やはり安心安全なメイド・イン・ジャパンの信頼感は強いらしく「実際に日本人が来て日本の物を売っている。なるほど、この商品は高品質なんだな」と購買意欲に繋がるらしいです。

詳しい商品説明は通訳兼試食係の方にお任せ。

私は日本語で日本人をアピールしながら、教えてもらった片言の台湾語と片言の英語を織り交ぜ、お越し頂いているお客様に金山寺味噌をオススメしていきます。世界共通言語・魂のボディランゲージで接客です。

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台湾の方は親日家が多く、特にご年配は日本語で話しかけてくださいます。お話させていただいたおりに、震災での台湾からの支援のお礼を申し上げますと、とても喜んでいただけたのが印象的でした。

試食の反応は、お味噌のなかでも甘めな金山寺味噌ですが、現地の方には塩みを強く感じられたようで、味のはっきりとした現地の料理と違い、塩味の中にも甘味を感じるなど日本料理にある、複雑な味わいを感じて頂くことができたと思います。

3日(木曜)に日本を発ち台湾到着後、実際に売り場に立ったのは木曜午後から6日(日曜)まで。4日間かけて、見事、お店の在庫分は全て完売する事が出来ました。

そして7日(月曜)の朝から帰国。観光もショッピングも一切できずに、思い出はフェアーの売り場内だけ(それもトラブル付)ですが、だからこそ記憶に残る4泊5日間でした。

この経験を糧にしながら、これからも積極的に海外販路拡大を目指して頑張って参ります。

工場見学に来られました!

先日、薬膳アドバイザー植條みかさんとIKUNAS編集部のみなさんが、弊社へ工場見学に来られました。
植條さんは、発酵食品を取り入れた料理教室を主宰されている方。雑誌『IKUNAS』でも弊社の商品が掲載されおり、何と今月から料理教室がスタートするそうです。その中で弊社も協力させていただく予定になっており、打ち合わせも兼ねてお越し下さいました。

当日は白みその仕込み作業。熱気のある現場を見て頂いて、作業スタッフも心なしか力が入ります。

工場内

米麹、煮大豆、食塩が白みその主な原料。それらをかくはん機の中に入れて混ぜ込んでいきます。

麹

大豆

工場長

湯気が立つ中、工場長が米麹と大豆をすり合わせる工程から、樽で寝かし、白味噌ができるまでの流れを説明していきます。

かくはん機

味噌桶

「できたてを食べてみたいのですが」という植條さんからリクエストにお応えして、試食もしていただきました。「まだ塩辛いですよ」と、詰める作業をしていた者がスプーンですくって手渡すと、「ほんと、塩が効いてる。麹の粒が残っていますね!」とびっくりされていました。編集の方も召し上がりながら頷いています。普段、仕込んだ直後の味噌を口にするのは、あまりない経験ですよね。白味噌は樽の中で半日~1日寝かせてから袋詰めし、出荷されます。

工場内をゆっくり眺めていた編集の方から、「大変古そうな柱が多いですが、いつ頃建てられたのですか?」という質問がありました。詳しいことは判っていませんが、先々代から「建て替えるときは柱1本残して建て替えよ」と言われており、創業当時のものだと思われます。蔵の中には目には見えない「麹菌」がいて、醤油蔵や酒蔵と同じように、柱1本1本に私どもの味噌の味になるものが含まれているのです。そうお伝えすると、みなさん感慨深く、古い梁や柱があらわしになった天井をご覧になっていました。
天井

ほかにも、好奇心旺盛に色々な所を見て頂きながら、料理教室をどのように展開していくか話が弾み、こちらも楽しい時間を過ごさせていただきました。

雑談

外からお客様をお迎えすると、普段当たり前だと思っていたことに、思わぬ発見があるものですね。植條さんとIKUNAS編集部のみなさん、見学に来て頂いて有難うございました!